inulin.jp というドメインが手に入りました。
イヌリンは水溶性食物繊維です。チコリの根や菊芋に含まれていて、消化されないまま大腸に届き、腸内細菌のエサになる。いわゆるプレバイオティクスとして、ここ数年サプリメントや加工食品でよく見かけるようになりました。
ドメインを取ってから、さて何をしたものかと考えました。
普通にやるなら「おすすめランキング」ですが
素材名のドメインで真っ先に思いつくのは、成分の解説記事と、商品のおすすめランキングです。実際、いま「イヌリン」で検索すると、上位はほぼその形のサイトで埋まっています。
やらないことにしました。理由は3つあります。
ひとつ、もう埋まっているから。資本の入った比較メディアが、監修者をつけて先に場所を取っています。同じ形で後から入っても、おそらく誰の役にも立ちません。
ふたつ、書ける表現が狭いから。健康食品について書けることは、法律でかなり厳しく決まっています。踏み込めば違反、踏み込まなければ当たり障りのない文章。その狭い隙間で「おすすめ」をひねり出す作業は、正直あまり面白くありません。
みっつ、自分が読みたいのはそれではないから。これが一番大きい理由です。
調べていて困ったこと
イヌリンについて少し真面目に調べてみて、気づいたことがあります。
日本語で、実務レベルの情報がまとまっている場所がない。
たとえば、こういうことが知りたくても、すぐには出てきません。
- チコリ由来とサトウキビ由来で、何がどう違うのか
- 重合度(DP)の差が、物性や機能にどう効くのか
- EFSA が認めた表示の条件は1日12g。では飲料に12gを入れられるのか
- 誰が、どんな特許を押さえているのか
- ある製品に入っているイヌリンは、実際のところ何グラムなのか
英語の論文や欧州の規制文書を当たれば、書いてあります。でも日本語で、横断的にまとまってはいない。
実を言うと、以前このあたりを仕事にしていました。
イヌリンを使ったアプリケーション開発です。素材そのものを扱って、どう配合するか、何ができて何ができないかを、手を動かしながら考えていました。この素材に強い興味を持ったのは、そのときです。
そして当時から思っていました。イヌリンについて知られていることの大半は、日本語のどこにもまとまっていない、と。
どこに在籍していたか、現在どういう利害関係があるかは、運営者についてに書いています。中立を掲げる以上、先に出しておくべきだと考えました。
このサイトでやること
というわけで、ここは事実を並べる場所にします。
論文 — ヒト試験を中心に。良い結果だけでなく、効かなかった研究も載せます。
特許 — J-PlatPat をもとに、誰が何を押さえているかを整理します。日本語でこれをやっている場所は、たぶんありません。
製品データベース — 市販品を、届出番号・原料由来・イヌリン含有量・g単価といった事実項目だけで並べます。
ブログ — 新しい届出、新しい論文、規制の動き。このページです。
運営方針
先に決めておきます。
順位はつけません。おすすめもランキングも書きません。並べるだけです。判断は読む方のものです。
届出表示は原文のまま引用します。消費者庁に届け出られた表現をそのまま載せ、それ以上の効果は書きません。
不都合な研究結果も載せます。都合のいい論文だけを拾うのは、このジャンルで一番やってはいけないことだと思っています。
アフィリエイトは製品データベースのページにだけ置きます。そこには明示します。論文のページ、特許のページ、このブログには置きません。情報と販売を同じページに混ぜない、というルールにします。
更新は週に一度くらいです
正直なところ本業がありますので、そのくらいのペースになります。
ただ、このサイトの値打ちは更新の速さではなく、溜まっていくことだろうと思っています。機能性表示食品の届出は毎月増えますし、論文も特許も出続けます。拾い続ければ、いつかそれなりの厚みになるはずです。
記載に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせからご指摘ください。一次情報を当たって書きますが、読み違いはあり得ます。いただいたご指摘は訂正します。
気長にお付き合いいただければ幸いです。

コメント